こんにちは。ノビーのセノビブログです。
今日も両手を上にあげて、うーんと背伸びしていきましょう!
この記事では、「マインドフルネスであなたらしく スーザン・M・オルシロ、リザベス・ローマー著」を参考に書いています。
著者の二人は、不安・感情・心理療法・マインドフルネス・価値に沿った行動をテーマに多くの文献を執筆し、不安障害の研究と治療に25年以上にわたって取り組んできた方です。
アメリカ国立衛生研究所から資金を得てこの15年に開発し、改善につとめてきた治療アプローチが、ご紹介した本「マインドフルネスであなたらしく」の基盤となっています。
前回の記事で、不安や恐怖のメカニズムと克服する方法をご紹介しました。
https://senoby-noby.com/anxiety_fear/
この記事では、さらに深堀して、
・不安や恐怖が人間関係にどう影響を与えるか
・無理矢理に乗り越えようとするとどうなるか
・不安や恐怖への対処法
をご紹介します。
この記事を読めば、不安や恐怖を感じることについて、さらに理解が深まります。
1.不安や恐怖の影響。ああしていればよかったかもなあ。。
不安や恐怖によって、避けがちな行動があります。
もちろん、危険なことから身を守ることは重要ですが、ここではそういったことではなく、機会損失について書きたいと思います。
不安や恐怖によって機会損失が起きているとは、どういうことでしょうか。
前回の記事でもご紹介しましたが、不安や恐怖は命の危険から私たちを守るためにあります。
例えば、近くを猛スピードで走っている車に対して恐怖感を感じるのは、身体からのメッセージです。
命を守るために「近づいたらダメだよ」と言って、危険から私たちを遠ざけています。
しかし、この恐怖や不安という感情はとても強力で、コントロールが難しいのです。
出なくてもよいところで出てしまい、機会損失を招きます。
例えば、以下のような場合です。
・仕事で社内プレゼンを任されたが、自分にはそれだけの力量が無いと思い断った。
・友人が呼んでくれた飲み会で、魅力的な異性がとなりに座ったが、嫌われるかもしれないと思って、声をかけなかった。
・知り合いから急に海外旅行に誘われた。行ってみたかった国だが、あまり日数もなかったし、準備できるか不安だったので断った。
・仕事で相談したいことがあったが、先輩が忙しそうだったので聞かなかった。
・デートで、本当はお酒が苦手だが、相手の気分を害すと思い、無理矢理お酒を飲んだ。
・からかわれるのが嫌いだが、グループの雰囲気が大事なので何も言わなかった。
これらは、冷静に考えればポジティブにとらえて行動したほうが良いものもあります。
しかし、恐怖や不安によって行動を阻害されています。
こうした機会損失の中でも最も大きいのが、人間関係です。
ある研究で「恐怖や不安とムリヤリ闘うと失うもの」について、人間関係に関するテーマが3つ上がっています。
1つ目が、
・恐怖と不安と悪戦苦闘すると、社会的な活動や他の人と関わりながらする活動を避けるようになる。
マインドフルネスであなたらしく スーザン・M・オルシロ、リザベス・ローマー著
ここでは「悪戦苦闘」という言葉がつかわれています。
ノビーは、これを「ムリヤリ闘って消そうとする」ことだと思っています。
そうすると、何が起きるでしょうか。
恐怖や不安を過大に意識することになって、さらに恐れを抱いてしまいます。
自分のネガティブな想像だと分かっていても、人から嫌われたり、うまく話せなくて恥ずかしい思いをするのではないかと、不安が大きくなってしまいます。
そこで恐怖や不安をコントロールできないと、人間関係を拒否してしまい、孤独感を感じるようになります。
また自分には価値がない、という勘違いを助長させてしまい、自己評価や自信が低くなってしまいます。
2つ目が、
・恐怖と不安と悪戦苦闘すると、必要な何かをはっきりとお願いしたり、気がかりなことを率直に伝えたりすることが難しくなった。
マインドフルネスであなたらしく スーザン・M・オルシロ、リザベス・ローマー著
嫌がられたり、嫌われることを必要以上に感じてしまうと、主張や行動ができなくなってしまいます。
この場合、不利益を受けるのが自分だけならまだしも、コミュニティ全体に不利益を被ってしまう場合があります。
必要な情報をコミュニティ内で共有できない場合です。
そういった場合は本来、自分で主張するべきなのですが、不安や恐怖でそれができません。
結果的に、コミュニティに損害を与え、他人からの評価も自己評価も落としてしまう、という悪循環にはまってしまいます。
3つ目が、
・恐怖と悪戦苦闘すると、他の人と心からつながりあうのが妨げられる。
マインドフルネスであなたらしく スーザン・M・オルシロ、リザベス・ローマー著
自分をさらけだすことに対して、必要以上に恐怖を感じてしまうと、自分の大切な人の信頼も失いかねません。
また、大切な人の前で自分らしくふるまえないのはストレスになりますし、自己肯定感の低下にもつながります。
このように、不安や恐怖は人間関係に悪影響を与える場合があります。
まずは、不安や恐怖が無意識にこういった人間関係を避けている(その人間関係が大切かどうかは関係なく)ということを知ることが大切です。
2.対処法。「でも」を「そして」にする。
ご紹介している本では、不安や恐怖を理解する方法として、「でも」を「そして」にするという方法が書かれています。
まずは、自分の人生において大切なこと(自分が心からやりたいと思っていることや、喜びを感じること)はどのようなことかを3~4つ考えてみます。
そういったことを考える時、「でも」と考えていませんか?
「でも」と考える場合、それは不安や恐怖が行動を制約しようと働きかけているのかもしれません。
「でも」と考えてしまった方は、「そして」に言いかえてみましょう。
自分の本当に思っているのはどちらか考えてみましょう。
・「好きな人をデートに誘いたい。でも、断られるかもしれない」
・「好きな人をデートに誘いたい。そして、断られるかもしれない」
・「この仕事をお願いしたい。でも、あの人は忙しいから嫌な顔をされるかもしれない」
・「この仕事をお願いしたい。そして、あの人は忙しいから嫌な顔をされるかもしれない」
・「自分がされて嫌なことをパートナーに伝えたい。でも、彼・彼女は怒るかもしれない」
・「自分がされて嫌なことをパートナーに伝えたい。そして、彼・彼女は怒るかもしれない」
いかがでしょうか。
少し不自然な文章になるかもしれませんが、行動を避けるニュアンスは「そして」のほうが弱まったのではないでしょうか。
どちらが自分の気持ちに近いか、考えてみましょう。
3.対処法。不安や恐怖に「気づく」と好転する。
「でも」を「そして」に変えてみて、もし「そして」のほうが自分の気持ちに近ければ、それは不安や恐怖が行動を避けていたと考えていいと思います。
このように、「でも」を「そして」に変えることは、不安や恐怖に気づくための方法の1つです。
そして「気づく」ことは、それだけでも不安や恐怖を克服するための一歩になりうるのです。
不安が本当に大切と感じるものを避けたり、それから目をそらしたりするように仕向けていると知るのは辛いかもしれませんが、それを知ったときには、あなたは本当に大切なもののほうへすでに動き出しています。
マインドフルネスであなたらしく スーザン・M・オルシロ、リザベス・ローマー著
「自分の気持ち」「恐怖・不安」は、別のところからくる感情なのだということに気づけると、恐怖や不安としっかりと向き合えたり、観察できるようになります。
(おそらくこれまでは、恐怖や不安と闘おうとしてはいたけれど、暗闇でただ恐れていただけのような状態だったのではないでしょうか)
4.まとめ
恐怖や不安とムリヤリ闘ってしまうとどうなるかと、その対処法をご紹介しました。
ここでご紹介している対処法は、すぐに絶大な効果が出るものではありませんが、知識として、「不安や恐怖が本当の自分の気持ちを押さえつけている」ということを理解するだけでも効果が望めます。
不安や恐怖は敵ではありません。
本来は自分を守ってくれるための機能なのですが、時代の変化に追いつけていないだけなのです。
そのことに気づいて、生活をより良い方向にもっていきましょう。
ここまで読んでいただいてありがとうごさいました!
それではー。。
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